「イエスは言われた。『わたしは、復活であり、命である。わたしを信じる者は、死んでも生きる。』」
ヨハネによる福音書11章25節 聖書協会
今年2024年は、教会暦によれば、今月3月の31日の日曜日がいわゆるイースター、復活祭になります。
ところで、新約聖書の原語ギリシア語で「復活」のことを“アナスタシス”と言います。大雑把に申しますと、“アナ”は「上に」(up)で、“スタシス”は「立つ」(stand)。つまり、アナスタシスは「立ち上がる」、スタンド・アップ(Stand up)。復活の主イエス・キリストは、倒れてしまっている私たちを、再び、スタンド・アップ(Stand up)、立ち上がらせて下さるのです。
ちなみに、あの放蕩息子は「ここをたち、父のところに行」こうと言って、実際にそれを行動に表わします。「そして、彼はそこをたち、父親のもとに行った」とある通りです。実は、ここで「たつ」と訳出されている表現の背後にある「立ち上がる」という言葉に、「復活」を意味する“アナスタシス”(の動詞形)が使われているのです。
もちろん、第一義的には、「復活」、“アナスタシス”とは、イエス・キリストが死を打ち破ってよみがえられたことを意味します。そして、また、キリストを信じるキリスト者も、やがて、そんな復活の祝福に同じように与(あずか)り、栄光の身体をいただくことを意味します。
と同時に、この“アナスタシス”には、どん底にまで落ち込んでいた放蕩息子がもう一度、立ち上がらせられたように、私たちが、悲しみや挫折から再び立ち上がらせられる、霊的に新しくされる、という意味もあるのではないでしょうか?
名曲“ユー・レイズ・ミー・アップ(You Raise Me Up)”は本来、ラブソングだったものが、歌詞の内容により讃美歌としても歌われるようになったようです。シークレット・ガーデンが作曲し、後にケルティック・ウーマンが歌詞を付けました。日本では、トリノ・オリンピック金メダリストの荒川静香選手が、そのフィギュア・スケートのエキシビジョンで使用して一躍有名になりました。
最後に日本語で歌詞を紹介します。You Raise Me Up、「主よ、あなたが私を立ち上がらせて下さる」!
死を打ち破って、復活したキリストは今、あなたを、私を、その死からのみならず、その悲しみのどん底、挫折の低みから、もう一度、立ち上がらせて下さるのです。
読んで下さいましたあなたに、神からの平安が豊かにありますように。
シャローム!
野口良哉伝道者 「元気が出る一口コラム」