旧約聖書における聖霊の働きを解説します。目に見えない神様は、目に見えない働きをしています。聖霊なる神様の働きもその一つです。ですから自分の体験談や想像によって、聖霊の働きを議論しやすいのもうなずけます。この記事では、神のみことばである聖書が、聖霊の働きについて何と言っているかを考えてみます。
神様の創造における聖霊の働き
旧約聖書が書かれているヘブル語では、ruachは霊と訳されていますが、他の箇所では風、息とも訳されています。創世記1章2節と詩篇33篇6節を読むと、天地万物は神様のみことばと聖霊によって創造されたことがわかります。
初めに、神は天地を創造された。 地は混沌であって、闇が深淵の面にあり、神の霊(ruach) が水の面を動いていた。神は言われた。「光あれ。」こうして、光があった。創世記1章1-3節
御言葉によって天は造られ、主の口の息吹 (ruach) によって天の万象は造られた。詩篇33篇6節 聖書協会
創造のわざは、私たち人間の知識を超えていますので、その方法を科学的に議論するのは愚かなことだと思います。同時に、三位一体の神(父、子、聖霊)が、天地万物の創造に関わったことは言うまでもありません。次の2つの聖句は、イエス・キリストが天にいらした時の働きを示しています。
初めに言があった。言は神と共にあった。言は神であった。この言は、初めに神と共にあった。 万物は言によって成った。成ったもので、言によらずに成ったものは何一つなかった。ヨハネの福音書1章1-3節
天にあるものも地にあるものも、見えるものも見えないものも、王座も主権も、支配も権威も、万物は御子において造られたからです。つまり、万物は御子によって、御子のために造られました。コロサイ1章16節 聖書協会
聖霊なる神様は、創造のプロセスで別の働きをしていました。聖霊は、神様に似せられて創られた人に息吹の命を与えました。「主なる神は、土の塵で人を形づくり、その鼻に命の息を吹き入れられた」創世記2章7節。命の息吹は、人間だけでなく動物たちに与えられています。コヘレト3章19節。
以上が神様の創造における聖霊の働きです。この働きは、すべての被造物に対する聖霊なる神の恵みです。動物も人も命の息吹が与えられたのです。神様の愛が注がれたのです。

ある特定の人たちに与えられた聖霊
旧い契約においては、聖霊はある特定の人物、神によって遣わされた人たちだけに与えられていました。
- 聖霊は幕屋を建てる技術者たち(出エジプト記31章3―5節)。
- イスラエルのリーダーたちに宿った。イスラエルの人々を導くリーダーたち(民数記11章25節、士誌記3章9―10節)、サウロやダビデのような王(1サムエル10章10節、16章13節)。
- 神様に遣わされた預言者たち(エゼキエル2章2節、2ペテロ1章21節)。
一方、新しい契約ではすべてのクリスチャンに聖霊が、神様の証印として与えられています。新しい記事で、新しい契約における聖霊の働きについて詳しく解説します。
もう一つ重要な点があります。聖霊なる神様は、三位一体の神様です。(イザヤ63章8-10節)によれば、イスラエルの民の不従順のために神様の霊は悲しまれたと書かれています。神様の霊は、人間の罪のために悲しみます。この事からわかるように、神の霊は父なる神、子なる神と同じように、神格(創造主、愛なる神)を持った方であることが理解できます。
聖書と聖霊の働き
神のことばである聖書は、聖霊に導かれた人々によって書かれました。
何よりもまず心得てほしいのは、聖書の預言は何一つ、自分勝手に解釈すべきではないということです。なぜなら、預言は、決して人間の意志に基づいて語られたのではなく、人々が聖霊に導かれて神からの言葉を語ったものだからです。2ペテロ1章20-21節
聖書はすべて神の霊の導きの下に書かれ、人を教え、戒め、誤りを正し、義に導く訓練をするうえに有益です。こうして、神に仕える人は、どのような善い業をも行うことができるように、十分に整えられるのです。2テモテ3章16-17節 聖書協会
上記の聖句が明らかにしているのは、聖書の著者は聖霊なる神ご自身であるとも言えます。しかし、神はその著者たちをロボットのようにして、聖書を書かせたのではありません。神は、神の啓示を全人類に与えるために、著者たちをお使いなりました。
不思議なことに、著者たちは違った時代に生まれた人々でしたが、神によって選ばれた聖霊に導かれて、神の支配と人間と言うまったく同じテーマで聖書66巻を書いたのです。私たちが生きている地球は、神が創造してくださった舞台です。この舞台上で私たち人間は行かされているのです。三位一体の神は舞台監督であり、演出家と脚本家でもあります。
聖書は、神の脚本とも言えます。私たち人間が読むべき神の物語です。聖書の著者たちは、神の聖霊の監督下のもと、全人類に通じる真理を書いたのです。
- 神を信じる理由。5つの理論的理由、外部リンク 聖霊とは