三位一体の神は、父、子、霊からなる共同体の神です。父、子、霊は、それぞれ違った役割を持っています。この記事では、この世の誤りを明らかにし、人間の闇を暴く神の聖霊の働きについて考えてみます。
わたしは父にお願いしよう。父は別の弁護者を遣わして、永遠にあなたがたと一緒にいるようにしてくださる。この方は、真理の霊である。世は、この霊を見ようとも知ろうともしないので、受け入れることができない。しかし、あなたがたはこの霊を知っている。この霊があなたがたと共におり、これからも、あなたがたの内にいるからである。わたしは、あなたがたをみなしごにはしておかない。あなたがたのところに戻って来る。しばらくすると、世はもうわたしを見なくなるが、あなたがたはわたしを見る。わたしが生きているので、あなたがたも生きることになる。かの日には、わたしが父の内におり、あなたがたがわたしの内におり、わたしもあなたがたの内にいることが、あなたがたに分かる。ヨハネ14章16-20節 聖書協会
主イエス・キリストは、ご自分がこの地を去り天に行くことを知っていました。十字架の死を直前にしていた主イエス様は、ある重要な約束を弟子たちに与えました。神の霊を与えるという約束です。主イエス様は、地上から去っても私たちを孤児にはしません。主イエス様がこの地を去っても、イエス様の宣教のわざが終わった訳ではありません。
この聖霊の力によって、使徒たちは主イエス様の宣教のわざを続けたのです。また聖霊は、使徒たちに語るべき宣教の言葉を与えました。その神の霊感によって、使徒たちは新約聖書を書きました。使徒たちの権威 今も聖霊の働きによって宣教のわざは続いています。聖霊なる神様の働きの一つに、この世の中の誤りを明らかにするという働きがあります。
その方(聖霊)が来れば、罪について、義について、また、裁きについて、世の誤りを明らかにする。罪についてとは、彼らがわたしを信じないこと、義についてとは、わたしが父のもとに行き、あなたがたがもはやわたしを見なくなること、また、裁きについてとは、この世の支配者が断罪されることである。ヨハネ16章8-11節 聖書協会
この世の誤り
私たち人間は、狂った世の中で生きています。人間の本姓である罪ゆえに、この世の中には様々な罪悪が存在します。誰が正しくて何が正しいのかと、政治でも経済でも議論されますが、言うまでもなく、人間がやることに完全に正しいことはありません。
聖霊なる神様は、世の中の誤りを絶望的に明らかにしているのではないでしょうか。現在の風潮を考えてみましょう。国レベルでも個人レベルでも、「自分さえ良ければ他は気にしない」という風潮があります。アメリカのトランプ大統領は、輸入関税を各国の輸入品にかけると言い始めました。他国も対抗処置を持っています。絶望的に利己主義的なのです。
人類の歴史を振り返ってみましょう。古代から現代社会まで、人間社会は凄まじい発展を遂げてきました。近年の科学技術、医療技術の発展は、驚かされるばかりです。便利な世の中になりました。その便利さと共に、人間社会の問題は解決しているでしょうか。現実はまったくその逆です。世界は、混迷を深め人間同士の争いごとは終わりません。この悪を動かしているのは誰でしょうか。神様は何をなさっているのでしょうか。
聖霊が、罪を罪として明らかにする
主イエス様は、地上にいる間、この世の罪を明らかにしました。光によって暗闇のわざを明らかにしたのです。人間の罪は、悪魔のわざであるとハッキリと宣言したのです。この罪ゆえに、多くの人々は主イエス・キリストを信じてませんでした。主イエスのメッセージを信じなかったユダヤ人教師たちに、「あなたがたは、悪魔である父から出た者である」と諭しました。
世の中の罪深さを明らかにしているのは、聖霊なる神様ご自身です。聖霊なる神様が、人々の奥底にあるものを吐かせているのです。悪魔によって騙されている人々は、さらに自己中心的な態度を増長していくでしょう。世界の混乱・混迷を頂点に達するでしょう。新たな世界的な戦争が起きるかもしれません。
戦争は繰り返してはならないと叫びながら、人類は新たな争いの時代に突入しているのです。神様の目的は、人間たちを懲らしめ悔い改めへと導くことです。その目的のために、神様は悪をも使っています。悪魔の目的は、人間を苦しめ神様から離れさせることです。実は、神様と悪魔は、同じことに働きかけているのです。聖霊なる神様は、人間の罪悪を明らかにして、最後には人間の罪悪を裁くのです。
今、主イエス・キリストは天にいらしてすべてを支配しておられます。その代わりに、神様の聖霊がこの世の罪を明らかにしています。罪のために人間は、いまだ苦しんでいます。その苦しみが罪を明らかにしているのです。人間が、罪を悔い改めるように、聖霊なる神様は今も働いています。悪魔であるサタンによってだまされて人間が犯す罪が、自分たちを苦しめているのです。この人間の罪深さを、聖霊なる神様は、主の再臨の時まで解き明かしていきます。
聖霊が、神の義をはっきりと明らかにする
罪の罪悪とは対照的に、神様はキリストの十字架と復活によって神様の義を示されました。主イエス様を信じる者が誰でも、神様の子供として受け入れられる義です。
今、神様の義は、聖霊が示して下さっています。聖霊なる神様が、クリスチャンの口を通して福音メッセージを語っておられるのです。人間は、人間社会が作ろうとしている正義では足りないことを知っています。それでも愚かな人間は、この試行錯誤を続けます。そんな人間社会に対して、聖霊なる神様は、今も人々の心に語りかけています。「罪を悔い改めなさい」という聖霊の導きに、ある人たちは気づきます。それでも頑固な人たちは、罪を道を行き続けるのです。
人間の罪が増えれば増えるほど、神様の愛と義はもっと際立ってきます。神様が、どれほど人間を愛しているのかが、聖霊なる神様によってもっともっと明らかにされます。主イエス様の光は、聖霊なる神様を通して暗闇の中で輝いています。

聖霊は、神の裁きを明らかにする
主イエス様は、神様の愛を宣べ伝えましたが、同時に神様の裁きを警告しました。罪を犯し続ける者は、神様の裁きから逃れることはできません。私たち人間が話す悪の言葉や態度や行いは、いずれ裁かれます。隣人、主の兄弟姉妹に対する悪意、陰口など、すべて裁かれると言いました。悪事を続ける人は、自由意志によって罪を犯し続けます。
この書物の預言の言葉を、秘密にしておいてはいけない。時が迫っているからである。不正を行う者には、なお不正を行わせ、汚れた者は、なお汚れるままにしておけ。正しい者には、なお正しいことを行わせ、聖なる者は、なお聖なる者とならせよ。見よ、わたしはすぐに来る。わたしは、報いを携えて来て、それぞれの行いに応じて報いる。わたしはアルファであり、オメガである。最初の者にして、最後の者。初めであり、終わりである。黙示録22章11-13節 聖書協会
主イエス様が再臨される日には、最後の審判が下されます。その日が来るまで、神様は聖霊を通して裁きについて警告しているのです。主イエス様の働きを、聖霊なる神様は引き続き行っているのです。神様の裁きは、私たちが生きている間に様々な形で現れます。その裁きがどのようなものか、私たちには知る由もありません。かの日には、私たちの想像もしないような神様の裁きが来るのです。
結論
クリスチャンは、聖霊なる神様の働きを100%信じるべきです。聖霊なる神様は、罪と神様の義と神様の裁きを明らかにします。しかし鈍感な私たち人間の目には、見えないかもしれません。だからこそ、霊的に目を凝らし、霊的に起きていなければなりません。悪魔は、いろんな方法で人間たちを騙そうとします。惑わそうとします。悪魔の策略を見破るには、聖霊なる神様の手助けを私たちは必要としているのです。