皆さんは『異世界転生』というのを耳にしたことがありますでしょうか。これは簡単に言ってしまえば比較的新しいジャンルの創作物語であり、若い方々を中心に一大ブームとなりました。何がそこまで彼らを惹きつけるのでしょうか。その魅力をクリスチャン目線で探っていきたいと思います。
ひとまず、この記事では流行るに至ったその背景を私の経験話を交えながら纏めています。異世界ものに対する本論は次の記事となります。
1990年頃からのライトノベル
1990年頃からライトノベルという比較的子供でも読みやすいジャンルの小説が店先に並ぶようになりました。『剣と魔法』などとよく言われるファンタジーな世界を舞台にしたものが多く、まるで自分自身がその世界に生き活躍しているかのような躍動感がそこにはありました。今まで小説に馴染みのなかった方々向けに表紙のイラストがアニメタッチになっているのも特徴の一つかもしれません。
かく言う私も中高生のときに好んで購入していました。学校の図書室にも置いてあったため沢山借りて徹夜して読んでいたのを今でも覚えています。今から25年ぐらい前の話です。読み進めていくうちに、自分でも同じような物語を書くことはできないものかと頭の中で空想する毎日でした。
小説家になろうと思う若い人たち
「自分でも気軽に物語を創作したい」そのように思ったのは私だけではなかったようです。パソコンやインターネットの普及に伴い、2000年になると誰でも投稿できる小説サイトが登場するようになります。その中でも現在一番知られているのは『小説家になろう』(2004年~)でしょうか。その後スマートフォンを持つ人が増えていくにつれ、誰でもどこでもいつでも自分の創作物を投稿できるこのサイトは人気を集めていきました。メールアドレスさえ登録すれば誰でも投稿できてしまうため、現在では小中学生の利用も多いと聞きます。
昨今は本屋に行くとライトノベルやそこから派生した漫画本で溢れかえっています。しかし、その書籍の多くが先に述べたサイトにて投稿された作品です。もとは自分の頭の中だけで満足していた空想の物語です。損得関係なく何人かの目に留まるだけでも良かったのかもしれません。しかし、面白いと認められた作品は次第に注目されるようになり、出版社の目に留まって興行的に売れると判断されたものは書籍化されます。もっと売れるとみなされた場合は漫画化や映像化も行われます。外国語にも翻訳され海外でも売り出されている作品はかなりの量があるようです。
作者の多くが元々は素人です。しかし、そんな人たちの本が次から次へと出版されて売れたとなると、後を追うように私も私もとアメリカンドリームを求める人が増えてしまうのも仕方のないことなのかもしれません。本屋のライトノベルコーナーは年々拡大していっているのですが、それにはこういった背景があります。
異世界もの小説、アニメの誕生
このサイトによって新しく誕生し、かつ流行しているジャンルがあります。それが『異世界もの』です。このジャンルでは主人公は元々の世界から異なる世界へと『転移』もしくは『転生』して今までとは全然違う新しい生活を送ることになります。昔からよくある『剣と魔法』の世界へと本当に自分が飛び込んでいくかのようなストーリー展開です。自分が思い描いていた素敵な世界が目の前にあるということで人気を集めています。
さて、ここからが本題です。ここまで聞くと大変魅力的な分野であるように思われるかもしれません。しかしながらクリスチャンである私としてはこの『異世界もの』に対して少々心苦しく思っております。創作なのだから何を書いても個々人の自由だろうと言われることでしょう。そこが魅力の一つなのですからそれ自体を反論するつもりはありません。ただ、こういった物語が世間的にウケて流行ったことによる世の中の変化に対して不安を感じています。
この記事を見て『異世界もの』に興味を持った方は、機会がありましたら冒頭だけでも読んでみてください。少しでも触れて世界観に慣れていた方が次に続く記事も読みやすくなるかもしれません。