旧約聖書と新約聖書の違いは、内容もさることながら神の契約という点において大きな違いがあります。内容と契約の違いを説明します。
この記事を通して、聖書の全体像を理解して頂ければ幸いです。聖書は初めての方には、少し難しいと感じるかもしれませんが、もしご質問等あればコメント欄で書きこみをお願いします。
聖書の詳しい内容については、別ページで解説しています。ここでは大まかな内容を書き留めておきます。ざっくりした内容の違いがわかると、それぞれの契約の違いも分かりやすくなります。
【1】旧約聖書と新約聖書の内容の違い
(1)旧約聖書の内容。神が天地万物を創造したことが記されています(創世記1章)。神は、人間をご自分に似せられた者として創造されました。他の動植物と区別して特別に創造されたことが書かれています。唯一の神、創造主なる神は、現在でも天地万物を支配していると旧約聖書は教えています。
神は、人類の中からアブラハムを選び契約を結びます(創世記12章)。旧約聖書の約60%の部分、出エジプト記からエズラ記まで、アブラハムの子孫であるイスラエルの民の歴史が書かれています。神は、イスラエルとの契約の絆として、神の律法を与えます。しかし、イスラエルの人々は、神に対して罪を犯し続けたがゆえに、様々な試練を経験をします。そのような試練の中にいたイスラエルの人々を助けるために、神は預言者たちを送ります。その預言の言葉(旧約聖書の約30%)が、預言書として書かれています。その預言の中には、新しい契約と主イエス・キリストについても預言されています。旧約聖書の約10%で、信仰告白の詩や神の知恵を表現した詩や物語が書かれています。
(2)新約聖書の内容。新約聖書の約40%には、イエス・キリストの生涯と教えが記録されています。イエス・キリストが、人間の罪のために十字架上で死なれ復活した記録が記されています(福音書、マタイ、マルコ、ルカ、ヨハネ)。イエス・キリストが建てた初代教会の様子が(新約聖書の約10%)、歴史的に書かれています(使徒行伝)。
残りの約50%は、1世紀の諸教会に宛てた手紙です。 手紙の著者たちは、これらの手紙の中で、イエス・キリストの教えをクリスチャンの実生活に適用し、 諸教会が抱えていた問題や疑問に答えています。たとえば、クリスチャンになる意味は何か、教会内での人間関係はどうすれば良いのか、この地上で教会の意味は何かなどの疑問に答えています。
また終わりの日に来る神の裁きについて書かれています。その時には、イエス・キリストは再臨して、すべての人間(生きている人も死んだ人)を裁きます。この物質的な天地万物がなくなり、新しい天地が造られると預言されています。
【2】旧約聖書と新約聖書の契約の違い
(1)旧約聖書の旧い契約。神は、アブラハムの子孫であるイスラエルの民と契約を結びました。(新しい契約に対して、これは旧い契約と呼ばれます。)神は、イスラエルの民に生活の指針として十戒を与えています。また、旧い契約では、神の教えに反することが罪と定められ、その罪の内容も詳しく説明されています。その罪の贖罪のために、イスラエルの人々にいけにえをささげるように求められています。
(2)新約聖書の新しい契約。新しい契約は、イエス・キリストによって成就され結ばれました。新しい契約においては、イエス・キリストご自身が、神の律法であり神の御心を示す方として存在しています。イエス・キリストが人間の罪のために十字架上で死なれたので、新しい契約においては、罪のためのいけにえは行われません。ヘブル8章8節-13節を読んでみましょう。
ヘブル8章8節-13節は、新しい契約についての預言です。新しい契約においては、イエス・キリストが最後の預言者として天から降臨して、私たち人間に神の御言葉を語りました。さらに、主キリストは、大祭司として自らの体を人類のいけにえとして捧げました。具体的には、主キリストの十字架上での死です。この方は死から復活して、神と人間の仲介者となられたのです。
まとめ
- 新しい契約では、神の律法が、聖霊として人の心に宿っています。その結果、旧い契約の時のように預言者が民衆に「神を知れ」と言う必要はありません。なぜなら、聖霊が各クリスチャンに宿っているからです。
- さらに、罪の赦しが、主イエス・キリストを信じるすべての人に、与えられています。主イエスのいけにえゆえに、クリスチャンは罪の贖いを受けているのです。
以上、旧約聖書と新約聖書の違い、内容と契約の違いについて説明しました。特に契約の違いは、特に難しかったかもしれません。ご質問などあれば、コメント欄にお願いします。
- 次に旧約聖書と新約聖書の関係を読んでみましょう。聖書66巻(旧約39巻、新約27巻)の内容、外部リンク 旧約聖書と新約聖書の違い