新しい契約下にあるクリスチャンは、旧約聖書の権威をどのようにとらえたらいいのでしょうか。クリスチャンは、旧約聖書をどのように読んだらいいのでしょうか。
イエス・キリストが認めた旧約聖書の権威
旧約聖書は、クリスチャンにとって権威ある神の御言葉なのでしょうか。クリスチャンの信仰は、主イエス・キリストにあります。しかし、信仰を形作る土台は、旧約聖書の教えと戒めにあるのです。
まず、イエス・キリストは、旧約聖書をどのように扱ったかを考えてみましょう。主イエスは、旧約聖書を神の言葉として引用しています。つまり、神の言葉としての旧約聖書の権威を認めているのです。
神の霊感によって書かれた旧約聖書の権威
では、新約聖書の中で使徒パウロが書いた手紙では、旧約聖書について何と言っているでしょうか。新しい契約が成就された後に、これらの手紙が書かれたのです。
また、自分が幼い日から聖書に親しんできたことをも知っているからです。この書物は、キリスト・イエスへの信仰を通して救いに導く知恵を、あなたに与えることができます。聖書はすべて神の霊の導きの下に書かれ、人を教え、戒め、誤りを正し、義に導く訓練をするうえに有益です。こうして、神に仕える人は、どのような善い業をも行うことができるように、十分に整えられるのです。
2テモテ3章15節-17節
上記の聖句で使徒パウロが指している聖書とは、明らかに旧約聖書を指しています。テモテは、ユダヤ人の母親と祖母をもち、幼い頃から旧約聖書に親しんできたのです。旧約聖書は神の御言葉であると、新しい契約下にあるパウロも、その権威を認めています。
旧約聖書の役割
ガラテヤ3章で、使徒パウロは、旧約聖書の役割について説明しています。第一に、旧約聖書の律法は、すべての人が罪に定められていることを啓示しています。すべての人間が、罪人であることを旧約聖書は証明しているのです。第二に、旧約聖書の律法は、人間を主イエス・キリストへと導く道しるべ、あるいは教育係の役目を担っています。旧約聖書を読めば、自分の罪深さを知り、主イエス・キリストの十字架の贖いを必要としていることを、私たちは知るのです。
まとめ 旧約聖書を読むときの3つの大切な視点
- 初代クリスチャンにとって「聖書」とは、旧約聖書を指していました。初代クリスチャンは、私たちが今持っている新約聖書はもっていなかったのです。旧約聖書を神の御言葉として、受け入れていました。
- 旧約聖書は、神の働き、愛、力、および人間の罪、愚かさを教えています。
- 初代クリスチャンは、律法および旧約聖書を、主イエス・キリストへと導く道しるべ、教育係として受け入れていました。
- 旧約聖書の成り立ちと正典
- 旧約聖書とイスラエルの歴史
- 旧約聖書と新約聖書の関係 継続性と非継続性
- 旧約聖書の考古学からの発見、4つを紹介
- 旧約聖書の権威
- 旧約聖書が教える世界の成り立ちと人間
- 旧約聖書の内容をざっくり解説
外部リンク 戦争と文化(17)――聖書には「汝、殺すなかれ」とあるのに、どうして、ユダヤ=キリスト教は戦争や暴力行為を後押ししてきたのか?