コンテンツへスキップ 投稿日:2023年2月5日/更新日:2025年4月30日

反キリスト的な異世界転生とは何か

異世界転生のような夜の高速道路

「異世界転生とは何か」をわかりやすく解説し整理していきます。一人のクリスチャンとして、このジャンルに対しての想いを伝えておきたいと考え筆を走らせています。しかしながら、そもそも本サイトをご覧になる方は【異世界】や【転生】というキーワードについて初めて聞くという方がいらっしゃるかもしれません。そのため、まずはその辺りについて纏めていくことにします。また、似た言葉で【転移】というものもありますので、そちらの説明も載せておきます。

皆さんは『異世界転生』というのを耳にしたことがありますでしょうか。これは簡単に言ってしまえば比較的新しいジャンルの創作物語であり、若い方々を中心に一大ブームとなりました。何がそこまで彼らを惹きつけるのでしょうか。その魅力をクリスチャン目線で探っていきたいと思います。

ひとまず、この記事では流行るに至ったその背景を私の経験話を交えながら纏めています。異世界ものに対する本論は次の記事となります。

1990年頃からのライトノベル

1990年頃からライトノベルという比較的子供でも読みやすいジャンルの小説が店先に並ぶようになりました。『剣と魔法』などとよく言われるファンタジーな世界を舞台にしたものが多く、まるで自分自身がその世界に生き活躍しているかのような躍動感がそこにはありました。今まで小説に馴染みのなかった方々向けに表紙のイラストがアニメタッチになっているのも特徴の一つかもしれません。

かく言う私も中高生のときに好んで購入していました。学校の図書室にも置いてあったため沢山借りて徹夜して読んでいたのを今でも覚えています。今から25年ぐらい前の話です。読み進めていくうちに、自分でも同じような物語を書くことはできないものかと頭の中で空想する毎日でした。

「自分でも気軽に物語を創作したい」そのように思ったのは私だけではなかったようです。パソコンやインターネットの普及に伴い、2000年になると誰でも投稿できる小説サイトが登場するようになります。その中でも現在一番知られているのは『小説家になろう』(2004年~)でしょうか。その後スマートフォンを持つ人が増えていくにつれ、誰でもどこでもいつでも自分の創作物を投稿できるこのサイトは人気を集めていきました。メールアドレスさえ登録すれば誰でも投稿できてしまうため、現在では小中学生の利用も多いと聞きます。

昨今は本屋に行くとライトノベルやそこから派生した漫画本で溢れかえっています。しかし、その書籍の多くが先に述べたサイトにて投稿された作品です。もとは自分の頭の中だけで満足していた空想の物語です。損得関係なく何人かの目に留まるだけでも良かったのかもしれません。しかし、面白いと認められた作品は次第に注目されるようになり、出版社の目に留まって興行的に売れると判断されたものは書籍化されます。もっと売れるとみなされた場合は漫画化や映像化も行われます。外国語にも翻訳され海外でも売り出されている作品はかなりの量があるようです。

作者の多くが元々は素人です。しかし、そんな人たちの本が次から次へと出版されて売れたとなると、後を追うように私も私もとアメリカンドリームを求める人が増えてしまうのも仕方のないことなのかもしれません。本屋のライトノベルコーナーは年々拡大していっているのですが、それにはこういった背景があります。

人間の罪とは?

異世界もの小説、アニメの誕生

このサイトによって新しく誕生し、かつ流行しているジャンルがあります。それが『異世界もの』です。このジャンルでは主人公は元々の世界から異なる世界へと『転移』もしくは『転生』して今までとは全然違う新しい生活を送ることになります。昔からよくある『剣と魔法』の世界へと本当に自分が飛び込んでいくかのようなストーリー展開です。自分が思い描いていた素敵な世界が目の前にあるということで人気を集めています。

さて、ここからが本題です。ここまで聞くと大変魅力的な分野であるように思われるかもしれません。しかしながらクリスチャンである私としてはこの『異世界もの』に対して少々心苦しく思っております。創作なのだから何を書いても個々人の自由だろうと言われることでしょう。そこが魅力の一つなのですからそれ自体を反論するつもりはありません。ただ、こういった物語が世間的にウケて流行ったことによる世の中の変化に対して不安を感じています。

異世界とは何?

この創作物語の舞台は【異世界】です。異世界というのは私たちの生きているこの世(以下、現実世界)ではない異なる世界を指しています。同じ宇宙の別の惑星という意味ではありません。宇宙自体が異なる世界と考える必要があります。パラレルワールドとも違います。もっとかけ離れた理の別空間と認識した方がいいでしょう。ほとんどの物語において、魔法という不思議な力やモンスターという現実世界にはいない生物が登場します。神々や魔王といった存在も当たり前のように登場します。

わざわざ【異】世界とされている理由は、主人公なりその周りの登場人物は元々現実世界の人間だからです。主人公は何らかの理由で現実世界からその異世界へと移動することになります。そしてそこで新たな能力を手に入れたり現実世界の知恵や知識を活用したりして、新しい人生を全うしていく話が展開されます。基本的に作者や読者が気持ちよくなれなければ物語として成立しなくなるため、暫くは困難な生活を強いられたとしても最終的には主人公がその異世界で大活躍します。

異世界転生
Light from an open door

転移とは何か

では、現実世界から異世界へはどのようにして移動するのでしょうか。それが【転生】や【転移】といったものになります。【転生】の話をメインとしたいので、先に【転移】について説明させてください。

ではまず【転移】です。こちらは何らかの不思議な力によって異世界へ無理やり召喚される(呼び出される)というものです。この話の場合、召喚した側の都合で物語が展開することが多く、召喚された側が「家に帰りたい」と言って涙を流すことも少なくありません。しかし、主人公は特別な理由があって召喚されているため、一般の者では使いこなせない特殊な力を身に着けています。その力を駆使してその世界の問題を解決していくというお話です。

よく知られているお話では「ナルニア国物語」が分かりやすいかもしれません。この話では主人公たち兄弟は洋服ダンスをゲートとして現実世界と異世界とを行き来しています。

転生とは何か

次に【転生】ですが、【転移】との大きな違いは一度死を経験するかどうかです。こちらは仏教でいうところの輪廻転生の考えから生まれたものだと思われます。元々の世界で一度死んだ後、魂だけが別の身体に入れられて異なる世界で新しい生を迎えるというものです。そのため、この話の場合はほとんどの作品において主人公は最初の第一話で何らかのことが原因で息を引き取ります。

ただ、この転生物語では高い割合で神なる存在が関係しています。神なる存在が主人公の生死に介入し、例えば「私のミスであなたを死なせてしまった。申し訳ないので別の世界で改めて生きるチャンスを与えましょう。」と言って新たな生を促します。【転移】とは違ってこちらは何か特別な目的や使命がないことが多いです。そのため、主人公はその後自由を謳歌します。

人間の罪とは?

クリスチャンの視点から見る転生について

この【転生】についてはクリスチャンとして色々と物申したくなります。それは上に書いた内容だけでもお分かりいただけるでしょう。神なる存在が人と同じような存在として登場し、その神なる存在の介入によって物語が始まります。ただその介入の方法に問題があります。上記の例の場合主人公はどのようにその神なる存在を認識するでしょうか。「神がミスをした?そのとばっちりで私は死んだ?神なんかいても害しかないんだな。」と思うのではないでしょうか。

あくまでもこれは創作ですが、作者自身がそのように思っていない限り想像することが出来ません。そして、こういった話が読者に受け入れられれば次に続く別の作者がまた同じような作品を書き起こします。そうなると、これがさもスタンダードであるかのように現実世界の人々の心に反映されていく可能性があります。いや、もうすでに手遅れかもしれません。 長くなってしまいましたので今回の記事はここまでにします。次の記事もよろしくお願いします。

友部キリストの教会 西村泰樹

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