61 「お別れしてからもう何年」 2000年9月30日
お別れしてからもう何年
忘れないよ いつまでも
十年前の僕ならば忘れたかもしれないけれど
あの時 目のあかりを失い
歩けなくなって 悲しみにくれたんだ
そんな時 君たちが現れて慰めてくれた
毎日 散歩に連れてってくれたり
お昼休みのわずかな時間をぬって
お茶飲みや話し相手を無心につとめてくれた人
おお あの温もりがあの声が
我が胸にいまもなお
62 「時を待つ」 2000年9月25日
今はどんなに苦しくたって悲しくたって
時を待てばやがて神様は苦しみを和らげ
悲しみを喜びに変えてくださる
それを心から信じ待てる私になりたい
そしてその時もう一度
やさしい君に会いたいな
63 「犬も猫も」 2000年10月7日
犬も猫も みんなみんな僕のそばにおいでよ
前のようにさ お菓子や牛乳あげるからさ
歩けないからと 馬鹿にしないで
なかよく遊ぼうよ
ダンボールでお城をこさいてあげる
コロちゃん 君のお城さ
だれも攻めてなんか来ないから
安心しているがいい
64 「再会」 2000年10月14日
姉ちゃんが来たよ
諏訪の姉ちゃんが何年ぶりだろう
あれは俺の目が光を失った時だから
六、七年になるかなあ
とにかく懐かしく嬉しかった
姉ちゃんとはそう長く暮らさなかったけど
一番の思い出が伊勢湾台風の時だったか
風でガタガタするガラス戸を二人で必死に抑えたっけ
もちろん足が悪くて
踏ん張りの利かない俺が押さえたところで
何の役にも立たなかったことは言うまでもないのだが
それでも台風の後
「ありがとね おかげで助かった」と言われ
子供心に満足感で一杯だった事を覚えているよ
あの日のことを思うたび
できることなら
もう一度幼少に帰りたいと思っている俺です