「憲法という希望」のタイトルの書籍があります。また政党には立憲民主党があります。いずれも、日本の将来への希望は憲法にあるという思想が根底にあるようです。戦後、日本の憲法はアメリカのGHQのリーダーシップの下で作られました。二度と戦争を起こさせないという憲法です。私は素晴らしい憲法だと思います。そこに多くの方々が希望をおいているのです。しかし、憲法に希望はあるのでしょうか。憲法とは何かを問いかけ、聖書の観点から憲法の価値と現在地を検証してみたいと思います。皆様の憲法に対する考え方に一石を投じ、一緒に考えていただければ幸いです。
憲法という希望と言うけれど
日本は地方国家であり憲法によって成り立っています。戦後政治の中で憲法の基本原則を守るために、あいまいに取り扱われてきた問題があります。その一つが集団的自衛権です。私は「自衛隊は明らかな軍隊である」と考えています。戦車や戦闘機に実弾がなければ、単なるおもちゃでしょう。しかし、そのあいまいさゆえに、日本は今まで軍事的な安定を保ててきたのかもしれません。しかし、世界情勢は急激に変わっています。もし実際に侵略されたら、日本はどのように対応するのでしょうか。

憲法は人間の作り物 vs キリストは永遠なる神
自衛隊が軍隊であると内心では認めていても、認めたくないのが日本の政治です。もし認めれば、根底から日本国憲法を改正しなければなりません。たとえ左派の人たちが政権を奪取したとしても、れっきとして軍隊である自衛隊は存続するでしょう。さらに、憲法9条もそのまま維持するのではないでしょうか。
憲法は人間の作り物であることを、誰もが認識すべきだと私は思います。もし人間の知恵の産物であるとすれば、どんな物でも時代に合わせて改善が必要であることは必然です。憲法も例外ではないでしょう。日米安保条約によって、日本は軍事的に守られているという時代は、確実に終わっていると私は考えています。
憲法は一時的な人間の産物であるのに対して、主イエス・キリストは今現在、天にてすべてを支配している方です。日本もアメリカも中国もそしてロシアも、主イエス・キリストの支配下にあるのです。主イエス様は、どこかの国を特別に扱うのようなことはありません。えこひいきなどあり得ません。日本の憲法が日本だけに拘束力を持つのに対して、主イエス様の戒めは全世界に届いているのです。最終的には、主イエス様のみことばによってすべての人間も国々が裁かれます。

憲法は人間を救えない vs キリストは人間を救う
戦争を起こさせないためには何をすべきか。憲法が日本人を守ってくれるのでしょうか。憲法そのものには力はありません。なぜなら、憲法をどのように履行するかは、人間にかかっているからです。軍事行動を起こさないと主張していても、同時に自衛権を保持している以上は、侵略戦争には対処する以外選択の余地はありません。
日本の憲法は日本人が誇るべきものですが、「憲法に希望がある」とか「憲法が日本人を守っている」、「この平和憲法が人間を救うことができる」のような幻想を捨てるべきだと私は思います。「憲法という希望」と聞いた時に、なぜ人間の作り物に希望を持てるのか、非常に深い違和感を持ちます。人間の権利と義務を定義しても、この混迷した世の中において、人間の魂と心を救うことは出来ません。生きる意味も目的も与えてくれるわけではない、と私は思います。。
主イエス・キリストは、人間に生きる目的、生きる意味を与えています。私たち人間にとって、本当に必要なものは何かを教えています。人間の心の奥底にあるものは何でしょうか。主イエス様は私たちを諭しています。憲法は、社会の秩序を保つための原理原則として重要であることに間違いはありませんが、憲法には私たち人間の心の飢えや渇きを満たすことは出来ないのです。主イエス様だけが、私たちに真の平安と喜びと愛を与えてくださる、と私は信じております。
憲法は人間の都合で変わる vs キリストは変わらない
人間が作る物に永遠性はありません。常に、時代の変化につれて変化していきます。憲法も例外ではありません。日本の憲法がいくら素晴らしくても、そこには永遠ではないのです。すべての人間の産物が危うい危険性を含んでいるように、日本の憲法も完全ではありません。憲法という希望と聞いて、私は一つの疑問を持ちます。なぜ人間が作った文書に希望をもつのだろうか。一過性に過ぎない人間の文書に、自分の希望を託せるのでしょうか。
しかし、「イエス・キリストは、きのうも今日も、また永遠に変わることのない方です。」へブル13章8節 聖書協会 この聖句が宣言しているように、主イエス様のみことばは変わることはないのです。天地万物がなくなっても、主イエス様のことばは永遠に残ります。
わたしを拒み、わたしの言葉を受け入れない者に対しては、裁くものがある。わたしの語った言葉が、終わりの日にその者を裁く。ヨハネ12章48節 聖書協会
憲法には人間を裁く力も権威もありませんが、主イエス様は天地万物すべてを支配しておられます。この方が、最後の審判の時に、死んだ人も生きてる人も全人類を裁くのです。
最後に、最近の日本の政治について

最近、私は明治維新前後の歴史を読んでいますが、今の時代の選択肢は江戸時代の末期の選択肢と似通っていると思います。江戸時代末期、開国を迫る多くの国々が、日本に圧力をかけて日本の安全を脅かしていました。現在の状況は、それに似かよっています。非常に多くの選択肢があり、日本の将来を決める政治家たちの責任は、私たちが考えるよりも大きいでしょう。
政治家の方々は、その思想と現実の狭間で政治を行っているかと思います。日本をより良い国にするために、懸命に努力していると思います。そのようなわけで、政治家の方々を批判する気は毛頭ありません。ただ賛否両論があるの中で、今の日本は、物事をわかりやすく説明してくれる、包容力のある力強いリーダーを必要としているのではないでしょうか。左右どちらを見ても、私がみるところ残念ながらそのようなリーダーの資質を持った方はいないようです。
